左ボディの打ち方

ボディ

身体の使い方

右腕を前に出し、左腕を後ろに引く

右手テンプル(こめかみ)にしっかりと密着させ、カウンターを貰わないように意識する。

左手に据える。

このとき、左肘の角度は90度を保つ。

これは、90度の時が最もインパクトが強くなるためです。

相手との距離が近すぎる場合等、左肘の角度が90度より小さくなると、腕を回転させるスペースが足りず、パワーが半減してしまいます。

この場合、バックステップをするなどしてスペースを確保するのが賢明です。

また、90度より大きくなると、振りが大きくなり、カウンターを貰うリスクが高まります。

左足に体重を乗せる

重心の割合は、右足左足28が目安です。

しっかりと踏ん張った状態からパンチを放つ方が身体が安定する反面、踏ん張りすぎると元に戻る動作が遅くなりカウンターを貰いやすくなってしまいます。

背骨の傾きでボディの高さを調整する

相手のボディの高い位置に打つ場合には背骨の傾きを小さくし、低い位置に打つ場合には背骨の傾きを大きくします。

肘や脇の開き具合で打点を変えようとすると、先に述べたように、パワーが半減したり、カウンターを貰うリスクが高まってしまいます。

背骨と右足が一直線になるようにする(=背骨と右足を一本の軸とみる)

これは、下半身で生み出したパワーを上半身に上手く伝えるためです。

右足の角度と背骨の角度にズレがあると、回転運動により生み出されるパワーが減少してしまいます。

例えるなら、折れた竹とんぼはプロペラ部分が上手く回転せず、きれいに飛んでいかないといったイメージでしょうか。

つま先が外側を向かないように注意する

回転運動で放ったパンチは相手に当たれば問題ありませんが、外れることももちろんあります。

そんなとき、つま先を内側に絞っておくことで、そのまま身体が流れてしまうことを防止することができます。

回転運動を利用してボディを打つ(=慣性の法則を利用する)

身体の回転に引っ張られるように左腕を勢いよく前に出します。

あくまでも身体です。

腕が先に出ると、手打ちになり、パンチの威力が著しく減退します。

また、左ボディアッパーを打つときも左サイドボディを打つときも身体の使い方同じです。

右腕を内側に絞ってストッパーをかける

これは、つま先の説明でも述べましたが、パンチを打った後に身体が流れないようにするためというのが理由の一つです。

それに加え、相手の左のカウンターを防ぐ役割もあります。

左のボディを打とうとすると、その対角線上にある相手の顔の左側自分から見て右側のディフェンスが甘くなりやすいです。

そこに左のパンチを合わせられないようにするために、しっかりと、右拳テンプル(こめかみ)を、右腕ジョー(アゴ)を守るように気を付けます。

一例をあげるとすれば、井上尚弥選手がルイス・ネリ選手にダウンを取られたシーンです。

井上選手が左ボディを打った後、右脇が大きく開き、右腕が身体から離れたところに、ネリ選手の左フックがヒットしていることがわかります。

左肩でアゴを守る

左ボディを打つと、右のカウンターを合わせてくる選手もいます。

このカウンターを貰わないようにするために、左腕を伸ばした後、左肩アゴくっつけるようにして左肩でしっかりとアゴを守ります。

上の説明と組み合わせると、右腕左肩アゴを挟み込むような形が完成するはずです。

左ボディのレパートリー

まっすぐ突き刺す(=左ボディアッパー)

左のに向けます。

そのまま、拳を相手のレバー(右のあばら付近)にまっすぐ突き刺します。

サイドから引っかける(=左サイドボディ)

左サイドボディの打ち方を2つほど紹介していきます。

まず一つ目は、左ボディアッパーの場合と同様、左のに、に向けて打つ方法です。

この握り方でパンチを打つ場合、相手のサイドボディが空いている(=ガードが正面にきている)ことを確認した上、小指からサイドボディに金槌を打つようにパンチを打ちます。

2つ目は、左手の親指に、小指に向けて(=縦拳)打つ方法です。

この握り方でパンチを打つ場合も、相手のサイドボディが空いている(=ガードが正面にきている)ことを確認した上で、相手のサイドボディに自分の拳を引っかけるようにパンチを打ちます。

左ボディを打つタイミング

相手のガードが脇腹にあるとき(=前側が空いているとき)

左ボディアッパーをまっすぐ突き刺す

相手のガードが前側にあるとき(=脇腹が空いているとき)

その①

ダッキングやウィービングで左斜め前(相手の右斜め前)に踏み込み、空いている脇腹に左ボディアッパーをまっすぐ突き刺す

その②

相手の肘を狙って左ボディアッパーを打ち、肘ごとボディにねじ込む

その③

相手の脇腹に左サイドボディを打つ。

左ボディを使ったコンビネーション

左ボディアッパー➡左フック

左ボディアッパーを打つと、相手はボディを守るために右腕下げることがあります。

すると、相手の顔のガード甘くなります。

そこに、左フックを打つと当たりやすくなります。

左ボディアッパー➡左アッパー

左ボディアッパーを打つと、相手はボディを守るために右腕下げることがあります。

すると、相手の顔のガード甘くなります。

そこに、左アッパーを打つと当たりやすくなります。

ポイントは、左ボディアッパー打った後、再度、左手腰の位置に戻すことです。

こうすることで、溜を作ることができ、強いパンチにつながります。

もう一つポイントを挙げると、左ボディアッパーを打つときも左アッパーを打つときもできるだけ同じ軌道を辿るようにするということです。

これは、相手にしてみると、左ボディアッパーもう一度飛んでくる)と思っていたところ、左アッパーを打たれることとなり、不意を突かれた形となります。

左ボディアッパー➡左サイドボディ

左ボディアッパーを打つと、相手はディフェンスをするために右腕正面側に移動させることがあります。

すると、相手のサイドボディがら空きになります。

そこに、左サイドボディを合わせることで有効打を与えることができます。

このコンビネーションを打つコツは、左ボディアッパーを打った後、左足に体重を乗せたまま左サイドボディを打つことです。

このようにすることで、間髪を入れることなく、2種類のボディを連続で打つことができることができます。

左ボディアッパー➡左サイドボディ➡右のオーバーハンド

このコンビネーションは上のコンビネーションの応用形です。

左ボディアッパーから左サイドボディまでの打ち方は上で説明した通りです。

左サイドボディを打つと、対角線上にある相手の顔の左側自分から見て右側が開くことがよくあります。

そこで、右のオーバーハンドボラード)を相手の耳の下に打ち下ろすと、有効打になりやすいです。

なお、ボラードとは時間差攻撃のことです。

いずれ、ボラードの打ち方については別の記事で説明させていただきます。

左サイドボディ➡左アッパー

左サイドボディを打つと、相手はディフェンスをするために右腕サイドボディ側に移動させることがあります。

すると、相手の正面がら空きになります。

そこに、左アッパーを合わせることで有効打を与えることができます。

左ジャブ➡左フック➡左サイドボディ➡右のオーバーハンド

左ジャブを打つ目的は2つあります。

まずは、目隠しをするためです。

相手の視界を遮るように左ジャブを打つことで次にパンチを当てやすくなります。

もう一つは、相手のガードを正面に移動させるためです。

相手の顔を狙って左ジャブを打つと、相手はディフェンスをするために腕を前に移動させることがあります。

それによって相手の顔の右側(自分から見て左側)が開くことがあります。

そこに、左フックを合わせるという流れになります。

なお、相手が右手でパーリングをし、右手を下げたときも同様の対処が可能となります。

この後の左フックが当たればそれでよいのですが、外れることももちろんあります。

そこで、次の手を考えます。

左フック打つと、相手はディフェンスをするために右腕上げることがよくあります。

すると、相手ボディが開きます。

そこに、左サイドボディを打ち込みます。

このコンビネーションでは、サイドボディの方がボディアッパーよりも打ちやすいと思います。

左ボディに対するディフェンス

肘ブロック

一つ目は、肘を下げてボディを守る方法です。

このガードのポイントは、テンプルこめかみ)から拳を離さないことです。

腕だけ下にさげると、テンプル(こめかみ)ががら空きになりカウンターを貰うリスクが高まります。

また、左のガードもしっかり上げておくことが大切です。

これは、右下意識を持っていくと、その対角線上にある左上意識が薄れやすいためです。

パーリング

次は、右肘を基点にして肘から掌にかけての部分を反時計回りに回転させて相手の左ボディを掌で受ける方法があります。

ここでのポイントは、相手の左ボディを掌で受けた後、そのまま受け手を相手に引っかけるようにして左に回ることです。

このようにすることで、左フックなどのカウンターを回避することが可能となります。

参考文献

まったく新しいボクシングの教科書(2010)[野木丈司]

もっとも新しいボクシングの教科書(2013)[野木丈司]

VIVA!BOX MEXICANO(2024)[古川久俊]

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