亀ガード-鉄壁のガード技術⁉-

ディフェンス

亀ガードとは?

亀ガードというのは、拳(手のひら側)をおでこにくっつけ、地面に対して腕を垂直に構えるスタイルです。

メリット

有効打を貰いにくい

ガードの隙が少ないためです。

ガードが崩れにくい

腕が身体の中心に集まっているためです。

木の幹から長く伸びている枝の方が、短い枝よりも折れやすいのと似ています。

向いている人

フィジカルの強い人

亀ガードは、相手のパンチを受け流すのではなく、受け止める技術です。

そのため、前進してくる相手を止め、押し返せるだけのフィジカルをお持ちの方に向いているファイトスタイルです。

フィジカル強化には、自重筋トレや体幹トレーニングがおすすめです。

具体例

野杁正明(K-1、one)

村田諒太(ボクシング)

やり方

おでこに拳を強力に接着する

どのくらい強力に接着させるのかといいますと、誰かに両腕に手をかけてもらい、思いっきり引っ張ってもらっても離れないくらいが理想です。

おでこと拳の接着が弱いと、相手のパンチが強い場合、自分の拳ごと自分に当たってしまう可能性があります。

あくまでも、腕を身体の中心に集め、腕で受け止めたダメージを全身に分散させることが大切です。

ガードの隙間から相手を見る

相手にしてみれば、パンチを外されているわけではなく、ガードの上からであっても一応パンチが当たっている状態といえます。

言い換えると、距離感やペースを握りやすい状態となっています。

そのため、腕と腕の隙間から相手の動きを観察し、相手の打ち終わりには、すぐに反撃できるように準備しておくことが大切です。

亀ガードに対する対策

足を使う

亀ガードを使用する選手は、ステップワークを駆使して動くよりも、じわじわとにじり寄ってくる選手が多いです。

これは、身体が安定するためであると思われます。

ぴょんぴょん跳ねるウサギよりも、一歩一歩踏みしめて歩くゾウの方が、攻撃されたときにバランスを崩しにくいといったイメージでしょうか。

しかし、これにはデメリットもあります。

足を使って多方面から攻撃されると、防戦一方になってしまう恐れがあることです。

逆に言えば、亀ガードを使用する選手を攻略するためには、打ち終わりに身体の位置を変えることが何よりも大切となります。

手数を増やす

手数を増やすことで、亀ガードをしている選手に反撃の隙を与えないことが大切です。

なお、この場合、反撃の隙を与えないことが目的ですから、常に強いパンチを打つ必要はありません。

スタミナを消耗しないためにも、原則、軽いパンチで構いません。

ただし、軽いパンチのみですと、リスク覚悟で反撃に出てくる可能性があるため、時には重いパンチも織り交ぜることをお勧めします。

横から崩す

正面の隙間から手を引っかける

①相手のガードの正面の隙間に右ストレートを深くねじ込む。

②相手の右手に自身の右手を引っかけ、下に倒す。

③相手のガードが下がったところに左フックを打ち込む。

野木(2016 p.71)参照

どれだけガードを固めていても、人間の腕は横からの力には弱いため、横から崩すのがセオリーとなります。

ただし、この方法では、相手のガードの正面の隙間に自身の右腕を通すことができることが前提となっています。

そのため、しっかりと拳とおでこを密着させている選手に対してはなかなか通じにくいです。

ちなみに、2024年7月20日(土)に行われた試合でオラスクアガ選手が加納陸選手をKOで下したのがこのコンビネーションです。

是非、参考にしてみてください。

フックを引っかける

①相手のガードの表面を擦るように左フックを打つ。

②相手の左手の外側に自身の左手を引っかけ、下に倒す。

③相手のガードが下がったところに右ストレートを打ち下ろす。

野木(2016 p.71)参照

参考になる試合

野杁正明VS海人

村田諒太VSアッサン・エンダム、ロブ・ブラント

参考文献

もっとも新しいボクシングの教科書(2016)[野木丈司]

コメント

タイトルとURLをコピーしました