ボクシングにおいて、最も基本であり、最も奥が深いパンチ――それがジャブです。
この記事では、「オーソドックス構え」を前提に、ジャブの打ち方を丁寧に解説していきます。
※サウスポーの方は、左右を逆にして読んでくださいね👈👉
🧍♂️1. 基本の構えから“まっすぐ”出す

ジャブは構えた位置からそのまま真っ直ぐ伸ばすのが基本です。
強いパンチを打とうとするあまり――
- 左拳を一度顔の方に引いてから打つ
- 左拳を下に下げてから振り上げる
といった“予備動作”を入れてしまうと、相手に見切られやすくなります⚠️
大切なのは、構えた位置からスッと出すこと。余計な動きはむしろ威力を殺してしまうんです。
🛡️2. アゴとボディを守る

🧤右拳でアゴを守る。
そして、右肘でボディをカバーします。
これはジャブに限らず、全てのパンチで共通する鉄則です。
あの井上尚弥選手ですら――
ネリ戦やカルデナス戦でダウンを喫したとき、右手がアゴの位置にありませんでした。
これは「ジャブのミス」ではなくとも、「打ち終わりのケア」の重要性を痛感させられるエピソードです。
また、左肩がアゴに付くように意識することで、逆サイドからの攻撃にも対応することができます。
🏹3. 手打ちを防ぐには「肘を伸ばす」+「肩を入れる」

ジャブが軽くなってしまう原因の一つが「肘が曲がっている」こと。
力が途中で抜けて、いわゆる**“手打ち”**になりがちです。
🌀それを防ぐには…
- 肘をしっかり伸ばす
- 左肩をグッと前に入れる
この2点を意識しましょう。
これはまるで、「折れた槍 vs 真っ直ぐな槍」のような話。
曲がった槍では獲物を突けないけど、真っ直ぐな槍なら深く刺さりますよね🗡️
⚖️4. 肩の使い方には“やりすぎ注意”

「左肩をグッと前に押し出す」と言っても、右肩を後ろに引くのはおすすめしません。
なぜかというと…
- ガードが空いてしまう
- 元の構えに戻るのが遅れる
というリスクがあるから。
たしかに、右肩を引けばパンチの飛距離は伸びるというメリットもありますが、
それ以上に、カウンターをもらうリスクが高まるのです。
🥇5. 一流選手のテクニックは、まず“基本”を完璧にしてから

中には、ジャブのときに右肩をやや引く選手もいます。
でも、それは基本が完璧に身についていて初めて成立するテクニックです。
最初のうちは、右手でアゴを守りつつ、右肘でボディをカバーする。
この“守り重視”のフォームを体に染み込ませることを優先しましょう!
🦶6. 拳の到達=前足の着地が理想

ジャブは、拳が届くタイミングと前足の着地が一致するのが理想的。
この「シンクロ」ができると、スピード・バランス・威力がグンと安定します。
🎯おすすめは縄跳び。
「着地=パンチの到達」をイメージしながら跳ぶと、自然とリズム感が身についてきます。
普通の縄跳びでも構いませんが、重さ調節ができる縄跳びを使うと、手首も強化出来て一石二鳥🐦🔥
※例外的に“ずらす”テクニックもありますが、それはまた別の記事で✍️
🦋7. シャドーでは「飛ぶ蝶を生捕りにする」イメージ

これは僕が特に気に入っている練習法ですが、
ジャブの練習では、「飛ぶ蝶を生捕りにする」イメージを持つと良いです🦋
- 強く握らずにパンチを出す意識がつく(蝶を潰さないため)
- 引きを素早くする意識がつく(逃がさないため)
- そもそも蝶が美しいから(笑)
力みすぎないフォームと、軽快な引きを手に入れるための、ちょっとユニークだけど効果的なイメージです。
🥩8. サンドバッグでは“マンガ肉の骨を引き抜く”!

サンドバッグ練習では、「マンガ肉の骨(地面に対して垂直に配置)を素早く引き抜く」イメージで打つのがおすすめ🍖
人は無意識に、パンチが当たる前から拳を握ってしまいがち。
でもこの“骨抜き”イメージだと、触れた瞬間に自然と握るクセがつきます。
また、引きも速くなるので一石二鳥!
実際、このイメージを導入しただけでジャブが見違えた人も多かったです。
⚖️9. ジャブ時の体重配分は「乗せすぎ注意!」

ジャブを打つときも、前足に乗せすぎると戻りが遅くなります。
💡おすすめは…
👉 右:左=4:6
=左足に軽く乗せる程度。左ひざをちょっと曲げるくらいで十分!
これで打ち終わりにサッとニュートラルポジションに戻れます🌀
🔁10. 拳を“軽く”時計回りに捻ると軌道が安定

当たる直前に拳を軽く時計回りに捻ると、肘が曲がりにくくなって軌道が安定します。
ただし、これを意識しすぎると引きが遅れやすいので注意!
🎈あくまで「なんとなくそんな感じ」でOK。
自然なフォームの中で活かしましょう。
🎯おわりに|シンプルを極めよ

ジャブは単純なパンチだからこそ、ごまかしが効かない。
だからこそ、一つひとつの動きに繊細な意味があります。
拳を出す角度、引く速さ、握るタイミング、構えのバランス――
それらを丁寧に見直すだけで、あなたのジャブは見違えるように変わるはずです。
どうか焦らず、繊細に。そして大胆に。
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