はじめに
今回は私自身が経験した、ディフェンス練習の成功と失敗について少し語りたいと思います。
私は、かつて、ディフェンスを華麗にこなす選手に憧れて、ディフェンスの練習にはまっていた時期があります。
そして、気が付いたのは、まずは①相手のパンチを貰わない立ち位置をキープすること、つぎに②相手のパンチを避けること、そして③相手のパンチをデフェンスすることが大切だということです。
ある程度経験を積まれている方にとっては当たり前のことかもしれませんが、以外と理解をせずに練習されている方も多いと感じました。
そこで、この順番の大切さとそれぞれの練習方法について簡単に解説したいと思います。
①相手のパンチを貰わない立ち位置をキープする
まずは、自分のパンチは当たるけれど、相手のパンチは当たらない立ち位置をキープすることが大切となってきます。
相手のパンチを避けたり、デフェンスをする以前に、そもそも危険な間合いに立ち入らないことが肝心だからです。
この点で相手よりも優位に立つためには、日頃から縄跳びやラダートレーニングなどでスッテプワークを身に付けることと並行して、マスボクシングやスパーリング等実戦の中で感覚を身に付けていくことが大切となります。
②相手のパンチを避ける
そうはいっても、相手の方がリーチが長かったりする場合等には、相手のパンチが届く距離に入っていく必要性も生じます。
そんなときも、いきなりデフェンス技術に頼るのではなく、できるだけ避けるように意識することをおすすめします。
なぜなら、こちらがデフェンスをしたとしても、相手からすると、自分のパンチが当たっている感触はあるので、距離を図ったり、試合をコントロールしやすくなるからです。
また、審判にも良い印象を与えることになります。
反対に、相手は自分のパンチをデフェンスで受け止められるよりも、かわされることの方が精神的にも肉体的にもダメージが大きいです。
そして、避ける技術については、詰まるところ、動体視力を鍛えるのが一番手っ取り早いと思います。
以下の書籍は絶版となってはいますが、圧倒的におすすめできます。
数百円足らずで入手できるので、騙されたと思って一度試して欲しいです。
③相手のパンチをデフェンスする
相手のパンチを避けきれないときには、ようやくデフェンス技術の登場です。
もちろん、戦略的にディフェンス技術を使うことも可能ですが、先に述べたデメリットについてもしっかりと理解した上で使用した方が無難でしょう。
そして、ディフェンス技術については、ひとつのディフェンス技術を学んだら、すぐにマスやスパーで反復練習することをおすすめします。
学び方は人それぞれですが、しっかりと理屈も頭に入れておいた方が応用が効くと思いますので、専門家が監修した書籍やDVDを利用するのがおすすめです。
補足
また、反射神経を鍛えるトレーニングとしては、誰かにスティックミットを持ってもらうというのもおすすめです。
注意点としては、ストレートの軌道でスティックミットを振ろうとすると、剣道でいうところの『突き』の形となってしまい危険です。
そこで、剣道でいうところの『面』の打ち方をするわけですが、これは実際のパンチにはない軌道だということです。
この点だけは意識しておく必要があるでしょう。
私の経験したディフェンス練習の成功と失敗
そして、ここからが最も伝えたかったことです。
実は、これらのトレーニング以外にも、相手から一方的にパンチを打ってもらうが、こちらは手を出さないというトレーニングもしていました。
もちろん、相手はプロアマ問わずです。
時には、自分よりも10~20kgも重い相手に打ってもらうこともありました。
こちらがその特訓の形跡です。
そして、このトレーニングを続けているうちに、①デフェンス力が向上し、②打たれ強くなるという効果を得ることができました。
②については、自分よりも体格のよい相手にパンチを打ってもらうことで、同じ階級の相手のパンチがほとんど効かなくなっている気さえしました。
ところが、この時点では、この練習方法には大きな落とし穴があることに気づいていませんでした。
そして、この落とし穴に気が付いたのは試合の時でした。
確かに、デフェンスは上手にできるようになったのですが、試合ではポイント負けしてしまったのです。
理由は簡単です。
手数が少なかったからです。
デフェンス技術を磨きすぎて、自分が攻撃する練習を怠ってしまっていたのです。
つまり、教訓として皆さんにお伝えしたいことはこうです。
デフェンスとカウンターはセットで身に付けるべきだということです。
実際、アンタッチャブルの異名をとった元ボクシング世界チャンピオン川島郭志さんもDVDの中で語られていました。
というわけで、デフェンスをした後はすぐにカウンターを返すということを皆さんにも忘れずにいて欲しいです。
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